アメリカで就職を考えているけれど、年収以外で気にしなければいけないことは?
転職大国のアメリカでは、企業側も優秀な人材を確保するため、様々な工夫をしています。
そのため、転職活動をする際には、年収だけでなくその企業にどういったベネフィット(福利厚生)があるか確認することも大切です。
どのようなベネフィットが存在しているか知っているだけでも、今後の就職・転職活動にきっと役立つはず!
この記事では、基本的なベネフィットからユニークなものまで、10のベネフィットについて紹介します。
基本的なベネフィット
PTO(休暇制度)
まず、一般的なものとしては、休暇制度。いわゆる有給休暇のことです。
PTOは、ほぼ全ての会社で導入しています。日数は会社によって異なりますが、アメリカ合衆国労働局によると、年間10日前後が平均のようです。
TED: The Economics Daily
PTOは、会社によっては翌年に持ち越せないので、事前にルールをしっかりと確認しておきましょう。
Health Insurance(企業健康保険)
こちらも、多くの企業にて導入されています。
アメリカには国民皆保険が存在しないため、就職後に各企業の定める健康保険に加入するのが一般的です。
保険には、健康保険・歯科保険・眼科保険の3種類があり、それぞれ別々の保険として扱われています。
つまり、健康保険証を持って眼科に行っても、眼科保険に入っていないと保険適用外になってしまいます。
企業の負担率、保険会社やプランなどは会社によって異なります。
保険代金は給料から引かれるので、就職前にその会社がどのような保険のサービスを使っているか、確認する必要があります。
でないと、
「今の会社よりも高い給料のオファーをもらった!」
と思っても、ふたを開けてみると実は保険料も上がって、結局手取りは変わらなかった、なんてことにもなりかねません。
401K(確定拠出年金プラン)
次は401K。こちらも多くの企業で提供されています。
401Kとは、確定拠出年金プランのことで、自身で決めた額を給料から差し引き、運用した上で、退職後に引き出すことができます。
会社によっては、差し引き額をマッチしてくれるところがあるので、こちらも要チェックです。
例えば、あなたが給料から5%を差し引いて、運用することにしたとしましょう。
マッチをしている企業は、あなたの5%に上乗せして、5%をあなたの401Kアカウントに支給してくれる、というわけです。
マッチ率の上限は、企業によって異なります。
注意事項としては、401Kは非課税なので、自分の給料とはいえ退職前に自由に引き出すことはできません。
その点に気を付けて、運用額を決めましょう!
以上の3点が、一般的なベネフィットでした。
ユニークなベネフィット
ここからは、あるとちょっと嬉しいベネフィットについて紹介していきます。
Work from Home(在宅勤務)
在宅勤務という意味のWork from homeを略して、WFHと言ったりもします。
コロナ以降、アメリカでも多くの企業で在宅勤務を導入しています。
最近は、ハイブリッド(半分在宅、半分オフィス勤務)をしている企業も少なくありません。
私が現在働いている部署も、週2日は在宅勤務です。
通勤にもお金はかかるので、在宅勤務が可能かどうかも、就職前に確認することをおすすめします。
Employee Discount(従業員割引)
物を売る会社に多いベネフィットとして、従業員割引が挙げられます。
私が以前に勤めていた自動車部品製造の会社では、自社と取引のあるホンダ・トヨタなどの車を、割引価格で購入できるというベネフィットがありました。
アメリカの百貨店であるMacy’sに勤める友人は、サンプル品の洋服を安くで購入できるというベネフィットがあり、例えばカシミアのセーターなんかも、5ドルで購入したことがあるそうです。
毎日使えるベネフィットではありませんが、あるとちょっと嬉しいですよね!
Learning and Development(学費負担)
これは、学費の一部、または全額を会社が負担するというもので、近年多くの企業で導入しています。
会社としても、優秀な人材を育てることができるので、先行投資というわけです。
負担額の上限、ルールなどは会社によって異なります。
例えば、私の大学院には、会社に学費を負担してもらっているクラスメイトがいたのですが、会社が定めたGPA(成績)を常にキープする必要があり、出来なければ会社から学費がもらえない、というルールがあったようです。
かなりのプレッシャーですね…。
学校のみでなく、資格のクラス費を負担してくれる場合もあります。これは助かりますね!
Wellness(ウェルネス)
上記の通り、健康保険は企業が一部負担しているため、あなたの健康を維持することは、会社にとっても負担額の軽減になります。
そこで、多くの企業ではウェルネスプログラムを導入しています。
プログラムの内容も様々で、会社で昼休みにヨガのクラスを提供したり、中には毎月のジム代を負担してくれる企業もあります。
また、ウェルネスプログラムに参加することで、月々の保険料を割引している企業もあります。
ケータリング
こちらは、限られた企業のみですが、昼食のケータリングをしている企業も存在します。
お弁当を用意する手間が省けるし、食費も浮くし、これが本当に助かります。
無料のケータリングでなくても、学食のような感じで、カフェテリアにて割引価格でランチを提供する企業も存在します。
社員が同じ時間にランチ休憩をとることになるので、みんなでランチを食べて、チームワークの向上にも繋がります。
携帯代
会社から携帯電話を支給されることは多くありますが、最近は携帯を支給せずに、「携帯代」として毎月の給料に上乗せした額を支給している企業も存在します。
私が働く企業でも、携帯代として毎月100ドルを支給しています。
携帯代をもらえるのは助かるし、携帯を2台持ちしなくて良いのもありがたいですが、個人の携帯電話番号を名刺に載せなければいけない上に、仕事とプライベートを分けられないというデメリットもあります。
週休3日制度
こちらは、最近少しずつ大企業で導入し始めている制度です。
通常の1日8時間、週5日勤務ではなく、1日10時間の週4日勤務を行うというものです。
毎週末しっかりと時間をとって休むことで、生産性の向上を目的としています。
また、家族との時間も確保できるので、仕事とプライベートの両立もできますね。
しかし、1日の勤務時間が長くなることは確かなので、これは合う人と合わない人がいそうですね。
以上が、基本からユニークなものまでベネフィット10選でした。
他にも、Business News Dailyにて、変わったベネフィットを紹介しているので、興味がある方はこちらも読んでみてください。
このように、優秀な人材を確保すべく、企業側も様々な工夫をしています。
また、どのようなベネフィットがあるか確かめることで、会社の雰囲気・カルチャーを確認することもできます。
就職、転職活動の際には、必ずベネフィットの内容を人事部と確認しましょう!
アメリカ居住歴9年。米系スタートアップにて勤務中。
働きながら、経営学修士号を取得(MBA)。
留学、就活の経験から得た情報を発信し、アメリカで日本人が自分らしく生きることのお手伝いをしたい!
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