あの人全然話を聞いてくれない!ちゃんと伝えたのに!
仕事の場でも、プライベートでも、そんなモヤモヤを抱えたことがある方はきっと少なくないはず。
私も上司に要点がうまく伝えきれず、自分の英語力を責めてしまったことも。
でも、待ってください。それって実は「ちゃんと話を聞いてくれない相手」でも「あなたの英語力」でもなく、あなたの伝え方に問題があるのかもしれません!
この記事では、アメリカでキャリアを積む人たちが使う最強のプレゼン方法
「エレベータースピーチ」
について紹介します。
この記事を読むことで、なんとたったの30秒で相手の心を鷲づかみにする方法を学ぶことができます。
エレベータースピーチとは
エレベータースピーチ(エレベーターピッチとも呼ばれる)とは、限られた時間内に自分の伝えたいこと、相手にして欲しいことを伝えるプレゼン方法です。
あなたが、1人でエレベーターに乗っているところを想像してみてください。
そこへ急に開くドア。なんと乗ってきたのは取引先の社長。向こうはあなたのことは知りません。
社長は階のボタンを押し、2人を乗せたままエレベーターは動きはじめる…。
これは大チャンス!エレベーターが停まるまでに、なんとしても自社の商品を宣伝したい!
さあ、あなたは社長に何と話しかけますか?
エレベーターが動いている数秒間に、短く要点を伝えるプレゼン方法。
これが語源となり、エレベータースピーチと呼ばれるようになりました。
実は、エレベータースピーチはアメリカで広く活用されており、授業にスピーチの練習をとり入れている大学もあります。
プレゼンの天才と呼ばれたスティーブ・ジョブスも、この手法を取り入れていました。
エレベータースピーチのメリット
エレベータースピーチには、以下のメリットがあります。
- コミュニケーション力が上がる
- 時間を有効に使える
- 自分の要求が通りやすくなる
- あなたの信頼性や好感度があがる
つまり、エレベータースピーチを習得することで、あなたのキャリアアップに繋がるのです!
また、このプレゼン方法は、アメリカで働く日本人は絶対に習得すべきスキルの1つです。
基本、英語を話す際には、結論を最初に持ってきます。
一方、日本人は前置きが長いので、日本語を話すように英語を話すと、
「結局何が言いたかったの?」
と言われてしまうのです。
人は、長いプレゼンを延々と聞いても、「ああ、長かったな。」としか思わない上に、むしろ悪い印象を与えかねません。
せっかく良いアイデアがあっても、相手に言いたいことが残らなければ、意味がありませんよね。
アメリカで働くためには、英語力のみならず、プレゼン力の向上も必要、というわけです。
せっかく良いアイデアがあっても、相手に伝えることができなければ損!
そうはいっても、要点をそんなに短くまとめるのは難しそう…
心配無用!エレベータースピーチには定型文があるんです!
では、さっそくエレベータースピーチの作り方を学んでいきましょう。
エレベータースピーチの作り方
冒頭の例に戻ってみましょう。
エレベーターでばったり遭遇した取引先の社長相手に
「こんにちは、今日は暑いですね」
なんて悠長に話しかけていては、本題に入る前にエレベーターは停まってしまいます。
しかし、要点を伝えることを意識しすぎて、急に本題に入ってしまっても、「あなた、誰?」となりかねません。
なので、要点を頭の中で箇条書きにし、以下のような構成をつくることが大切です。
スピーチの構成
- 簡単な自己紹介(相手が自分を知らない場合)
- 課題の提示
- 伝えたい本題
- 相手にして欲しいアクション
また、ピッチを行う際には具体的な数字を入れると、より効果的です。
例えば、
A. このショッピングセンターはとても大きいです
B. このショッピングセンターは、東京ドーム3個分の広さです
という例文があった場合、Bの方が規模感をイメージしやすいですよね。
素晴らしい、大きい、早い、など個人によって定義が違う言葉も、具体的な数字を入れることで相手に伝わりやすくなります。
適切な長さ
エレベータースピーチは、基本的には30秒程度が適切な長さだといわれています。
実際、人間の集中力は8秒ほどしか続かないことが、研究から明らかになっています。(Microsoft Canada社による研究)
もちろん、30秒程度が目安とはいえ、相手の様子を見て長さを調整するようにしましょう。
その他に意識すること
構成、長さ以外には、以下のポイントに気をつけてスピーチを作成しましょう。
- はきはきと話す
- 早口にならないようにする
- 相手の目を見て、自信をもって話す
時間ばかりを意識して、早口になってしまっては相手に伝えたいことは伝わりませんよね。
なので、聞きやすさを意識することも大切です。
また、相手の目を見て話すのは、欧米のビジネスマナーです。
目を見ないで話しをすると、「この人は自信がなさそう」という印象を与えてしまいかねません。
エレベータースピーチの例文
では、上記のポイントを意識して、例文を作ってみましょう!
Hi, I’m Taro, the founder of ○○. We offer an online sales training program called ○○.
This platform helps business owners to build high-performing sales teams.
In fact, Company B has increased the closing % by 50% after completing the training program.
Could I have a minute of your time to explain more about it this week?
こんにちは、○○社代表のタロウと申します。
弊社では、○○というオンラインのセールスのトレーニングプログラムを提供しています。
このプログラムを使うことで、優れたセールスチームを作ることができます。
実際、B社はプログラム終了後に、営業の成績が50%も伸びました。
ぜひプログラムについて紹介したいので、今週お時間をいただけませんか?
どうでしょうか?
要点を箇条書きにすることで、スピーチが作りやすくなります。
あとは、練習あるのみ。
会議中でも、テレビを見ているときでも、
「私ならこの場合、どんな風に要点をまとめるかな?」
と色々な場面を想像しながら、頭の中でスピーチを作ってみてください。
なんだか出来そうな気がしてきました!
エレベータースピーチを活用できる場所
エレベータースピーチは、営業のみならず、様々な場で活用できます。
また、必要なのは社会人だけではありません。
例えば、学生であればキャリアフェアや面接の際にもエレベータースピーチが使えます。
就職活動中に、簡単な自己紹介を練習すると思いますが、その際にもエレベータースピーチの構成を意識してみてください。
「Tell me about yourself(自己紹介をしてください)」
と面接で聞かれて、生い立ちから話し始める人はいませんよね。
- 自分は何者か
- どんな経歴があるか
- なぜこの会社に応募したのか
- どのように会社に貢献できるか
と、要点を短くまとめて話してみてください。
また、何気ないプライベートな場でも、活用できる機会はたくさんあるはずです。
なにか相手に伝えたいことがあるときには、この記事のポイントを思い返してみてください。
また、もう少し詳しくコミュニケーション方法について学びたい!という方はこちら!
以下は伊藤羊一さんの著書で、60万部ベストセラーのビジネスパーソン必読書です。
結論→根拠→事実の順で、手短に要点のみを伝えることが出来る技術を解説しています。
分かりやすいので、効果的に伝えることに苦手意識を持つ方は、こちらも是非読んでみてください。
まとめ
この記事では、30秒で相手の心を鷲づかみにするエレベータースピーチについて解説してきました。
人生に、チャンスの神さまは何度も現れません。
一瞬のチャンスをつかむことが出来るかで、あなたの人生は大きく変わるでしょう。
せっかく良いアイデアがあっても、せっかく仕事ができても、それを相手に伝えられなくては意味がありません。
特にアメリカでは、アピールしてなんぼ。
自分を売り出すのがうまい人が、どんどん上にあがっていく社会です。
何度もエレベータースピーチを練習して、great communicator (コミュニケーション上手)を目指してください。
この記事が、1人でも多くの人に役立ちますように。
アメリカ居住歴9年。米系スタートアップにて勤務中。
働きながら、経営学修士号を取得(MBA)。全米でトップ10%の成績で卒業。
留学、就活の経験から得た情報を発信し、アメリカで日本人が自分らしく生きることのお手伝いをしたい!
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